ゾロアーク検定 解説

1月21日にTwitterにあげたゾロアーク検定の解説です。




オフィシャルルール1

 オフィシャルルール1では、特別なポケモン・同じポケモン・同じ道具は禁止ですべてのポケモンがLv.50で対戦することになります。ポケモンSVではイリュージョンの仕様が変更されて後ろのポケモンのレベルまで同じものを表示するようになったのですが、この問題ではゾロアークのレベルが低い可能性は考えなくて良いわけです。

トリックについて

 トリックは使用者と対象の両方が道具を持っていない時に失敗するので、少なくともテツノブジンとあと一匹は道具をもっていないことが分かります。また、サーフゴーに使った場合はおうごんのからだが発動して「相手の サーフゴーには 効果が ないようだ・・・」と表示されるはずなので対象はサーフゴーではないことも分かります。

行動順

 行動は、サーフゴー→ミガルーサ→コオリッポ→テツノブジンの順でした。トリックが失敗する条件を満たしながらこの順番で行動できるのでしょうか?ひとまず登場するポケモンの素早さの範囲を見てみましょう。素早さが変更されると行動順に即反映されるのでコオリッポの素早さはアイスフェイスとナイスフェイスの両方を調べます。

サーフゴー
 S種族値84  80~149
ミガルーサ
 S種族値70  67~134
コオリッポ(ナイスフェイス)
 S種族値130 121~200
コオリッポ(アイスフェイス)
 S種族値50  49~112
テツノブジン
 S種族値116 108~184
ゾロアーク
 S種族値105 99~172
 ゾロアークの有無に関わらず全員が持ち物なしでもあの順番で行動できそうです。しかし、コオリッポの素早さはナイスフェイスの時とアイスフェイスの時とで対応しているので、ナイスフェイスの時に遅くなるようにすると当然アイスフェイスの時も遅くなってしまいます。コオリッポ(ナイスフェイス)がミガルーサより遅い時、コオリッポ(アイスフェイス)がテツノブジンより速くなれるか確認する必要がありそうです。

ミガルーサの実数値

 コオリッポの素早さを確認する前に、ミガルーサの素早さの範囲を狭めておきます。ミガルーサのHPは無振りのとき165ですが、このミガルーサは182とかなり多いです。また、攻撃を最低にしたコオリッポのたいあたりは防御無振りのミガルーサに13~16ダメージであり、10ダメージしか受けなかったこのミガルーサは防御も高めになっているようです。これらから必要なH努力値・B努力値・性格補正を出し、素早さに割り振れる分を求めるわけです。
 まず、HPを182にするためには努力値は最低132必要です。そして、たいあたりが10ダメージになるようにするには、コオリッポの攻撃が最低だった時でも防御が最低122必要です。この時、性格補正を防御と素早さのどちらにかけた方が効率が良いか微妙なところですので両パターンとも試してみます。

防御が上がりやすい性格の時
B努力値は140必要で、残りの努力値238を素早さに振れば120

素早さが上がりやすい性格の時
B努力値は228必要で、残りの努力値150を素早さに振れば119

となります。したがって、ミガルーサの素早さは最大120であることが分かります。

コオリッポ(アイスフェイス)の素早さ

 ミガルーサの素早さは最大120、コオリッポ(ナイスフェイス)の素早さは最小でも121なので、コオリッポが行動順を遅くする道具(こうこうのしっぽ、くろいてっきゅう等)を持っているか、ミガルーサがこだわりスカーフをもっていることが分かります。

コオリッポが行動順を遅くする道具を持っている場合
 アイスフェイスの時の素早さが最遅テツノブジン・最遅ゾロアークより低くなってしまうため、テツノブジン・ゾロアークがこれより後に行動するには道具をもたせる必要がありますがトリックを失敗させることができなくなってしいます。

ミガルーサがこだわりスカーフを持っている場合
 ミガルーサの素早さは道具込みで最大180であり、それより遅いコオリッポ(ナイスフェイス)の素早さも最大180となります。性格補正ごとにわけてアイスフェイスの時の素早さの最大値を求めてみましょう。

素早さが上がりやすい性格の時
努力値は最大108(ナイスフェイス時の実数値180)で、アイスフェイスの時の素早さは最大92

素早さとは関係のない性格の時
努力値は最大236(ナイスフェイス時の実数値180)で、アイスフェイスの時の素早さは最大100

素早さが上がりにくい性格の時
努力値は最大252(ナイスフェイス時の実数値163)で、アイスフェイスの時の素早さは最大91

この結果からコオリッポ(アイスフェイス)の素早さの最大値は100だと分かります。

 テツノブジンの素早さは最低でも108であり、コオリッポ(アイスフェイス)より後に行動するには道具を持たせる必要がありますが、その場合トリックを失敗させることができなくなってしまいます。
 テツノブジンがゾロアークだった場合なら素早さは最低99であり、道具を持たせずともコオリッポより後に行動できます。この時、サーフゴーはこだわりスカーフを持つことでミガルーサより先に行動できますし、コオリッポは持ち物無しでも良いためゾロアークがコオリッポにトリックをすることで失敗させることができるわけです。


ということで正解は、
ゾロアークはテツノブジン」





―――――――――ではありません。


 ここまでの解説で抜けている点が2つあります。ひとつはトリックが失敗する条件について、もうひとつは特性アイスフェイスの仕様について。

トリックが失敗する条件

 実は、トリックが失敗するのは使用者と対象が両方とも持ち物を持っていなかった時だけではありません。特定のポケモンと道具の組み合わせによっても失敗させることができます。例えば、ザシアンとくちたけん、メガシンカできるポケモンと対応するメガストーン、特性こだいかっせい/クォークチャージのポケモンとブーストエナジー
 つまり、テツノブジンが持ち物を持っていたとしても、対象がブーストエナジーを持っていればトリックを失敗させることができるのです。

特性アイスフェイスの仕様

 アイスフェイスにはおもしろい仕様があります。それは、かたやぶりの効果がのった技によってゆきを発生させてもナイスフェイスからアイスフェイスに戻らない、というものです。しかしながらこの問題中では特性かたやぶりのミガルーサのゆきげしきによってアイスフェイスに戻っています。どうしてでしょう?
 これにはポケモンSVで追加された道具、とくせいガードが関係しています。とくせいガードにはゲーム内で説明されていない効果、持たせたポケモンの特性が無視されなくなる、というのがあります。コオリッポはとくせいガードを持っていたことで、かたやぶりのミガルーサのゆきげしきでもアイスフェイスに戻れたのです。

トリックを失敗させられるか

 コオリッポの持ち物はとくせいガードで確定したので行動順を遅くする道具を持てず、ミガルーサより後に行動するにはミガルーサがこだわりスカーフを持たないといけません。トリックを失敗させるためには、テツノブジンが本物の時はブーストエナジーを持ったポケモン、テツノブジンがゾロアークの時は道具を持っていないポケモンを対象にしている必要がありますが、コオリッポもミガルーサも持ち物は確定しているのでサーフゴーを対象にするしかありません。しかし、先に述べたとおりトリックの対象はサーフゴーではないのでゾロアークはサーフゴー、そしてテツノブジンは本物であると分かります。

素早さの確認

 念のためサーフゴーがゾロアークの時の素早さを確認します。テツノブジンが本物の時、ゾロアークの持ち物はブーストエナジーでないといけません。こだわりスカーフを持っていない状態で、こだわりスカーフを持ったミガルーサより先に行動できるでしょうか?
 テツノブジンはこうこうのしっぽを持てるので、コオリッポは最遅でもテツノブジンより先に行動できます。ナイスフェイス時の素早さは最低121ですので、コオリッポより先に行動したミガルーサの素早さも道具込みで最低121となります。ゾロアークの素早さはで99~172ですから、こだわりスカーフ無しでミガルーサより先に行動することに矛盾はないようです。


ということで正解は、
ゾロアークはサーフゴー」でした。


不備等ありましたらご指摘ください。
チャオ!